リストラされた場合の退職の仕方

リストラの一環で行われる「希望退職者制度」とよく似たものに、「早期退職者優遇制度」というものがあります。混同して考えておられる方も少なくないようですので、比較してまとめてみました。


早期退職者優遇制度は、定年年齢に達する前に退職することを選択できる制度であり、そういう意味では希望退職者制度と同じと言えます。


ただし、早期退職者優遇制度は、定期的、または恒久的に退職者を募集し、雇用の調整を時間をかけてなだらかに行うものであり、労働者が自身のキャリアを生かして定年前に転身することを支援する目的ももっています。 賃金の高くなる、勤続年数の長い労働者を対象にしていることもあり、早期退職者遊具制度は、「選択定年制」といわれることもあります。


それに反して、希望退職者制度は、業績不振などの経営上の都合によって余剰人員を削減するための緊急的措置として行われる、臨時的な制度です。


企業の中には、双方の区別をせずに運用している 場合もみられますが、経営危機を回避する目的の場合は、「希望退職制度」となります。


希望退職制度により退職する場合は、会社都合による退職ということであり、自己都合による退職とは、その後の失業手当の給付にも違いが出てきます。


リストラだから仕方ないと使用者に言われ、よくわからないまま「早期退職者優遇制度」による早期退職とされてしまったり、希望退職であるにもかかわらず安易に「自己都合により退職」を受けてしまわないように注意が必要です。